「お前んとこのせがれ(倅)はヤンチャだな!!」
「ウチのせがれ(倅)はどうしようもないデキの悪さだよ」
せがれ?
まぁ若い男のことを言っているのはわかるんだけど、イマイチ本当の意味や語源、せがれの反対で女の子・娘の違う言い方がわからない…
本記事は、そんな疑問を解消する記事となっています。
せがれ(倅)の意味は?逆に女の子の呼び方は?
結論から言うと、「せがれ」という言葉は、古くから日本で息子を指して使われている言葉です。
この「せがれ」という言葉は、昔の日本では男の子を育てることが家を支えると考えられていたことから、息子を大切にする気持ちを込めて使われてきました。
せがれは息子のことを指すので、当然女の子に対しては「せがれ」という言葉は使いません。
「娘(むすめ)」や「女の子」と呼ぶのが一般的で、親しみや愛情を込めた呼び方として受け継がれてきました。
現代では、家庭内で愛称として「お嬢ちゃん」や「姫」という言葉が使われることもあります。
これらの呼び名は、家族の絆や親子の愛情を感じさせる表現として、今もなお大切にされています。
息子も娘も、どちらも親にとってはかけがえのない存在。呼び名一つにも、その愛が反映されているのですね。
とはいえ、「せがれ」って聞くと「娘」と比べると、なんだかあまり良いイメージには思えない気もしますよね?
もう少し深堀していきましょう。
せがれの語源は?
せがれの語源は諸説あるので、一つずつみていきましょう。
・「背負う」という意味がある「せい(背)」と「子」を意味する「がれ」が組み合わさった説
・痩せて枯れた様→やせがれ→せがれ…の説
そういえば、せがれの漢字は「倅」です。この倅は、憔悴しきった体のように、病気や疲れなどで「やつれた」状態に使われる漢字です。
せがれとは、息子を大切にする言葉のはずなのに自虐的な言葉のような気もしますよね?
そう思って辞書で調べると「せがれ」とは、
「息子をへりくだっていう言葉」なのです。
ですので、冒頭で書いてある
「お前んとこのせがれ(倅)はヤンチャだな!!」
「ウチのせがれ(倅)はどうしようもないデキの悪さだよ」
人の息子に対して言ってはNGな言葉ということがわかりました。
でも、小生が小さい頃の昭和の時代では、他人の息子:悪ガキのことを「お前んとこのせがれは本当にどうしようもない奴だな!!」と言っていましたね…。
とはいえ、結局は人の息子を見下した言い方になるので、今の時代はNGですから「せがれ」を使うのは自分の息子だけにしておきましょう。
せがれの類義語って?
せがれは、自分の息子をへりくだって言う言葉と知りましたね。
それでは、せがれや息子の別の言い方ってあるのか気になりますよね。いくつかあるので紹介します。
・坊や
幼い息子やかわいい息子に対する親しみや愛情を込めた言葉です。
もちろん、他人の男の子に使っても良い言葉ですが、言い方や声のトーンを変えるとたちまち小馬鹿にしたように聞こえてしまうのが日本語の難しいところですね。
【良い例】
坊や、良い子だねぇ、おこづかいあげちゃうわよ。
【悪い例】
坊や、お母さんに似て、とってもかわいいわねぇ。(嫌味っぽく)
・愚息
愚かな息子と書いて「愚息(ぐそく)」ですね。ちょっと変な話、ウチの愚息が…と、私の愚息が…とは意味が違って聞こえるのは、私の愚息の「愚息」が隠語というかスラングの場合なのです。
せがれは謙遜だから女の子の場合は?
先に答えを言ってしまうと、自分の女の子・娘を謙遜した言葉は「愚女(ぐじょ)」です。
この漢字を見ると、やっぱり良いイメージはしないですよね、「愚か」という漢字が入っているので。
愚息に対して愚女でもあるのですが、愚女は自分の娘をへりくだった言葉の意味の他には、
・愚かな女
・考えのない(頭の良くない)女
という意味があります。
今の時代では、自分の娘をへりくだっていう親もいないですし、馬鹿にした意味もあるので「愚女」とは滅多に聞かないですね。
ちなみに「愚娘」という言葉もありますが、一般的に使うことはないものの、愚息や愚妻の派生から稀に使われることがあります。
まとめ:せがれの意味は謙遜で使われ娘は愚女だった…
最近では「ウチのせがれは…」って全く聞かないので、今回の記事がきっかけで「せがれ」の色々な話を知れて良かったのではないでしょうか。
ちなみに小生は「せがれ」と聞くと、男はつらいよが大好きなので寅さんの「お前んとこのせがれは相変わらずバカか?」とか、
あばれはっちゃくのオヤジが「ウチのせがれがどうもすいません」とか先生に謝るシーンを思い出します。
また、せがれの類語である愚息に対して、女の子・娘の謙遜→愚女と言いますが、あまり一般的に使われることはありません。
愚息、愚女はどことなく文学っぽいところもありますし、ひょんなことから若者の流行り言葉となる可能性もあるかもしれませんね。
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